六十余州 武家屋敷紀行

~隔月で第3土曜日に更新~

vol.46 【豊後国 杵築藩】佐野邸

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【居住者】佐野博洋(藩医
【所在地】大分県杵築市杵築329
【関連サイト】https://www.city.kitsuki.lg.jp/kanko_rekishi/kankou_spot/jokamachi_sansaku/3401.html

 

 杵築を再訪。前回は改修工事で非公開だった佐野邸を見学してきました。天明3年(1783)の建築と推定される主屋は、改修の際に設計が変更されていたり、素材が新しくなっていたりで、旧状通りというわけでもないようですが、親切なスタッフの方に邸内を案内していただき、いろいろ興味深い話も聞くことができました。

 佐野家は代々杵築藩藩医を務めた家で、シーボルトに師事した佐野博洋は「豊後西洋医学の先達」と評されいますが、明治以降も医院として続いたようで、古い医療器具なども展示されていました。活躍の場を東京に移された現在のご子孫は、胃癌手術の権威者として知られ、そのご子息もまた医学の道に進まれた由。医家としての佐野家の歴史は脈々と受け継がれているようです。

(2016年8月訪問)

 

f:id:kan-emon1575:20160822114812j:plain座敷。壁に掛けられた「洞達亭」は三浦梅園が名付けたという佐野家の家号。

 

f:id:kan-emon1575:20160822121236j:plain縁側から庭を眺める。

 

f:id:kan-emon1575:20160822121510j:plain天井に掛けられていた駕籠。