【居住者】加藤内膳(家老/600石)
【所在地】三重県亀山市西の丸町
【文化財指定】亀山市指定有形文化財
【関連サイト】https://www.kankomie.or.jp/spot/1863
半年前の三重県武家屋敷紀行です。vol.99(松坂)と前後しますが、最初に訪れたのが亀山。名古屋から関西本線で1時間20分。東海道五十三次で46番目の宿場町でもある、亀山藩6万石の城下町です。亀山は十数年ぶりで3度目ですが、じっくりと時間をかけて町を散策したのは初めてでした。
一番のお目当てはやはり武家屋敷。亀山駅から歩いて10分ほどのところに、長屋門と蔵が残っており、御家老の邸宅とあってなかなか風格があります。居住者の加藤家は藩主石川家の譜代の家臣で、代々家老を務めるお家柄。幕末の当主加藤内膳は、家中の分家筋(300石)から養子で来たのだそうです。加藤家伝来の文書類を亀山市歴史博物館が寄贈を受けて保存しており、『近世亀山藩関係史料調査報告書』にその目録と加藤家の歴史が記載されていて参考になります。亀山城址を散策後、歴史博物館も見学。いろいろ勉強になりました。
(2024年2月訪問)
少年時代に初めて来た時の写真を見返してみると、入口部分を含めた長屋門の左端(写真の物見窓より左側)は、屋根瓦や門扉・下見板が見るからに真新しい素材で、当時は部分的に改修した直後の様相でした。年月を経て木材の色調は貫禄を取り戻しています。
自分の昔の写真では蔵は下見板張りではなかったので、改修されたようです。
長屋の右側部分も昔の写真とは物見窓の形状が違うので、こちらも改修された模様です。自分の少年時代というのも、もはや前世紀の話。懐かしいような、切ないような。
亀山市歴史博物館に展示されていた亀山城のジオラマ。手前に加藤邸。亀山城の西の丸に位置します。本丸は堀の先。
亀山城の多聞櫓。三重県に唯一残る城郭建造物。昔来た時は下見板張りでしたが、10年ほど前に旧状通りという漆喰壁に改修され、白亜一色になっていました。シンプルな平櫓ながら、かつての天守台という石垣が見事です。