【旧但馬家住宅】居住者:井口郡内(槍術師範/100石)
【旧武居家住宅】居住者:田島伝左衛門(数学師範/90石)
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前回の旧河原家住宅の隣には、さらに2つの武家屋敷が並んでいます。明治の廃藩後に但馬家の邸宅となった武家屋敷は旧藩時代から当地にあり(他の2軒は移築)、パンフレットによると、かつては100石取りの井口家の屋敷。また移築された旧武居家住宅は、90石取りの田島家の屋敷。佐倉藩では300石以上が「大屋敷」、100石以上が「中屋敷」、90石以下は「小屋敷」と称され、両家はそれぞれ「中屋敷」、「小屋敷」に該当したようです。
『佐倉市史』(巻二)を読んでみると、両家の歴史をよく知ることができます。武具方であった井口家の先祖は、槍術に長けていることが藩主の耳に入り槍術指導を命じられ、以降代々誠心流槍術の師範を務め、また一方の田島家も、江戸末期の当主伝左衛門は数学の達人として師範を務め、藩の算学所初代頭取に就任したそうです。それぞれの道を究めた両家。この立派な経歴を、武家屋敷の見学者にアピールしても良いかと思うのですが。
(2016年5月訪問)
19世紀前半頃の建築と推定される旧但馬家住宅(佐倉市指定有形文化財)。写真正面(最上部写真では縁側の先)が地味ながら表玄関。
旧但馬家住宅の座敷。 当時の敷地は340坪あったそうです。
旧武居家住宅。 こちらは移築前の敷地が290坪だったそうです。
3つの武家屋敷が並ぶ通り。生垣を据えた土塁が続き、藩政時代の趣を伝えています。