六十余州 武家屋敷紀行

~隔月で第3土曜日に更新~

vol.69 【信濃国 松本藩】戸田家中の武家屋敷

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【高橋邸】(松本市重要文化財

所在地:長野県松本市開智2-9-10

https://www.city.matsumoto.nagano.jp/sisetu/marugotohaku/takahasi_house/takahasikepurofi-ru.html

【橋倉邸】(長野県宝)

所在地:松本市旭2-10-1

https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/miryoku/bunkazai/takara/ken/kenzoubutu/hashikurake.html

 

 前回の諏訪を後にして松本へ。戸田松平氏6万石松本藩の城下町。松本城に寄っていくつもりだったのですが、なんと入場1時間待ちという賑わい。さすがは国宝です。立派な天守は堀端から眺めるだけにして、2軒の武家屋敷を訪ねてきました。

 ご子孫から松本市に寄贈された高橋邸は、復元修理を経て平成21年(2009)に松本市立博物館分館として一般公開。18世紀前半の建築と推定され、大部屋を十字に4つの小部屋に仕切る四ツ間取りという形式です。館内の説明によれば、松本入封以前から戸田家に仕える家で、足軽から後に徒士となっていますが、下士クラスながら奉行職(山方奉行)を務めたこともあったようです。

 橋倉邸もやはりご子孫から市に寄贈されたものですが、内部は非公開。嘉永2年(1849)の火災後の再建とも伝わるそうです。『松本市史』には、橋倉邸の上座敷の写真が掲載されていました。市史によれば、床の間を持つ上座敷を含め6つの部屋で構成されています。貴重な武家屋敷遺構であり、こちらも是非いつか一般公開していただきたいものです。

(2018年10月訪問)

 

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高橋邸全景。左手に土間・台所、右手に4つの部屋があり、手前側は接客用の次の間・座敷、奥側は家族用の居間・奥の間という構成。

 

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館内に展示されていた改修前の写真。この頃は瓦屋根だったようです。

 

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少年の頃に愛読した『武士の生活』という本に、「松本藩下級武士の屋敷」として高橋邸が紹介されていました。同書によれば家禄はわずか9石ですが、綺麗に補修整備されて、優雅な和風建築という感じがします。

 

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玄関から入ると3畳の取次の間があり、その右手が次の間6畳(写真手前)、座敷8畳(奥)。縁側の写真の内部になります。

 

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長野県宝の橋倉邸。改築もあって傍目には武家屋敷とは気付きにくく、普通の一般住宅のように見えますが、実際、平成14年(2002)までご子孫のお宅だったそうです。

 

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『幕末下級武士の絵日記』という本に紹介されていた橋倉邸の間取り図を見ると、写真右手が入口で、中は土間になっているようです。同書によると、家禄は5石2人扶持。

 

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建物裏手。右の建物は母屋と渡り廊下でつながる便所。