六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.58 【上野国 館林藩】伊王野邸(武鷹館)

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【居住者】 伊王野彦左衛門(館林藩用人/100石)

【所在地】群馬県館林市大手町1617-1

文化財指定】館林市指定重要文化財

【関連サイト】http://www.webgunma.com/1036/

 

 都心から東武特急に乗って1時間、館林を訪ねました。館林藩は将軍になる前の徳川綱吉が藩主だった時期もありますが、幕末の藩主は6万石の秋元家。その秋元家中の武家屋敷が市内に残されています。夏の気温の高さで有名な館林ですが、9月に入り暑さも一服。異例の雨続きも一服して、この日は天気にも恵まれ、散策日和となりました。

 「武鷹館」として公開されているこの武家屋敷は、江戸後期建築と推定される館林藩士の邸宅で、明治以降も個人の住居として使われていたものを、平成13年(2001)に移築復元したのだそうです。『館林市史』(特別編第4巻)で詳しく取り上げており、幕末には秋元家家臣の伊王野惣七郎家の住宅であったとしています。

 伊王野とは珍しい苗字ですが、市史(資料編3)所収の安政4年(1857)の分限帳に、用人として「高百石 伊王野彦左衛門」の名がありました。分限帳の記載順から、用人は家老・中老・番頭に次ぐ席次のようです。こじんまりとした簡素な構えながらも、藩内ではそれなりの地位にあった家のお屋敷だったのではないでしょうか。 

(2017年9月訪問) 

 

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 建物の中央に位置する式台。

 

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 玄関左手端の部屋。図面には「茶の間」とあります。

 

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 手前の座敷奥が式台に接する「控えの間」。さらに奥には台所が見えます。

 

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 式台左手の脇玄関奥には台所。右手には風呂場があったそうです。

 

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 入口の長屋門は当地にあったもので、移築してきた武家屋敷とは無関係。大正時代の建築だそうですが、通りから武家屋敷の存在を知らしめるには効果的です。