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六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.51 【下野国 代官屋敷】岡田邸(岡田記念館)

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【居住者】岡田嘉右衛門(旗本畠山家代官)

【所在地】栃木県栃木市嘉右衛門町1番地

【関連サイト】http://www.cc9.ne.jp/~kauemon/index.html

 

 都心から東武特急で1時間。蔵の街として知られる栃木を訪れました。もっとも、一番の目的は、旗本畠山家の代官屋敷。高家として5千石を領した畠山家は、このあたりに知行地を持ち、当地の有力者である名主の岡田家に代官職を委託したのだそうです。

 代官屋敷は岡田家の邸内にあります。住居としてではなく、公務のための建物ではないかと思いますが、大身旗本の代官所としての風格を感じさせます。玄関の屋根が傾いてしまっていましたが、近年の地震や水害で敷地内の蔵なども修復工事中。親切に案内していただいたご子孫のご家族も、保存維持が大変だとぼやいておられました。

 代々嘉右衛門を襲名した岡田家。武家から帰農し、自ら開墾して「嘉右衛門新田村」と称したこの地は、今も「嘉右衛門町」。幕末の当主嘉右衛門親之は家督を長男に譲ると、陣屋代官として畠山家の直臣となり、岡田主殿と改称。家臣団トップの用人席にまで累進しています。武士の時代の終わりに武士になった彼の日記は、『幕末維新期の胎動と展開』(全4巻)と題した栃木市史料叢書の第一集として翻刻されています。

(2017年2月訪問)

 

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かつては陣屋正面にあった門構え。表札には「岡田嘉右衛門」。歴代の通称を襲名する現在のご当主は、医院の院長を務める医学博士だそうです。

 

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式台玄関の先に続く広間。

 

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 建物の側面。

 

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お蔵に展示されている甲冑。岡田家の家紋を兜の前立てにしたもの(左)と、主家畠山家のもの(右)が並んでいました。

 

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家紋を付けた陣笠に火事装束、弓に鉄砲。武士になった岡田主殿が揃えたのでしょうか。彼の日記は都内の図書館にもあるので、読んでみたいと思います。