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六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.40 【備前国 岡山藩】 御家門・家老の武家屋敷

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【池田邸】居住者:池田丹後守(生坂藩主/1万5千石)

     所在地:岡山県岡山市北区丸の内2-7-15

【伊木邸】居住者:伊木長門岡山藩筆頭家老/3万石)

     所在地:東京都世田谷区岡本1-3(移築)

     http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/106/152/d00129076.html

 

 岡山城下にあった2つの武家屋敷長屋門。1つは岡山市内の林原美術館に、もう1つは遠く離れた東京に残されています。前者は岡山藩支藩である生坂藩主池田家、後者は岡山藩筆頭家老伊木家の屋敷門。いずれも貫禄のある門構えです。

 生坂藩祖の池田輝録岡山藩主池田家に生まれ、陽明学者として有名な家臣熊沢蕃山の養子となりますが、実兄が藩主となると1万5千石を分与され、池田姓に復して支藩を成立させます。知行は岡山藩の内高であり、藩主は代々岡山城下に居住しており、大名諸侯に列しながら独立した藩という感じではなかったようです。

 伊木家の下屋敷で使われていた長屋門は、閑静な住宅街にあるマンションの敷地内に移築されています。藩士の立場でありながら、知行高はなんと3万石。さすがは大藩の筆頭家老です。幕末の当主伊木長門は、藩論を尊王に統一し、長州征討の中止を働きかけるなど外交でも手腕を発揮。茶人としても有名だったようです。

 それにしても、たまたま同じようなアングルで撮影した写真を並べてみて気付いたのですが、2つの長屋門は瓜二つ。一方は主家筋で大名、一方は家来筋で無官の陪臣ながらも知行高は倍。双方のプライドとして、ちょうどバランスが取れているというところでしょうか。

 

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 林原美術館の正門として使われている生坂池田家屋敷門。下の伊木家長屋門とそっくりです。(以上、2015年10月撮影)

 

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 18世紀末頃の建築と推定される伊木家長屋門(世田谷区指定有形文化財)。門前はマンション来訪者用の駐車場となっており、景観的にはやや残念です。(2016年3月撮影)