六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.27 【肥前国 大村藩】楠本邸

f:id:kan-emon1575:20150205121342j:plain

【居住者】楠本正隆大村藩中老/60石)

【所在地】長崎県大村市玖島2-291-4

文化財指定】長崎県指定有形文化財

【関連サイト】http://www.nagasaki-tabinet.com/guide/954/

 

 高校の修学旅行以来、かなり久しぶりに長崎を訪れました。大村は旅程には入れていなかったのですが、たまたま長崎空港にあった大村市の観光パンフレットを見て、寄ってみようと思い立ちました。目に留まったのが「旧楠本正隆屋敷」。今回のコース上に近く、しかも武家屋敷が現存すると知ったからには、見逃すわけにいきません。

 楠本正隆は幕末の大村藩で活躍した「大村三十七士」のひとり。大村藩馬廻役の家に生まれ、藩校の頭取を務めた後、中老に累進していますが、この邸宅が建てられた明治3年(1869)は長崎府判事在任中。新政府の要人として活躍していく起点となったお屋敷とも言えそうです。

 大村藩は、楠本らが薩長と連携を密にしたことで、戊辰戦争では佐賀藩をも上回る3万石の賞典禄。楠本自身も大久保利通の腹心とし官界で存在感を見せるようになり、後に東京府知事衆議院議長等を歴任し、男爵として華族にも列しています。2万石程度の小藩ながら、秘めたエネルギーを感じさせる、とても興味深い藩です。

(2015年2月訪問)

 

f:id:kan-emon1575:20150205121652j:plain

60石クラスの武家屋敷として考えると、相応以上に立派ですが、邸内を案内していただいたスタッフの方の話では、元は大名が休泊した本陣の建物だったようです。

 

f:id:kan-emon1575:20150205122113j:plain

表玄関の正面に位置する17畳の広いお座敷。庭園の眺め(下の写真)も見事。

 

f:id:kan-emon1575:20150205122603j:plain

庭園越しの奥の建物は、渡り廊下でつながる離れ。