六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.21 【豊後国 杵築藩】大原邸

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【居住者】 大原文蔵(杵築藩用人/200石)

【所在地】 大分県杵築市杵築207

文化財指定】 大分県指定有形文化財

【関連サイト】 http://www.kit-suki.com/tourism/index.php?action=story&sub_cat_id=2

 

 杵築には歴史に興味を持ち始めた少年の頃、今は亡き祖父と旅行で来たことがあります。あの日も暑い夏の盛りでしたが、当時の写真に写っていた電柱は景観に配慮してか今や地中化され、大原邸をはじめとした武家屋敷も蘇ったように修復保存されて一般公開。懐しさと新鮮さで、気持ちが昂ります。

 スタッフの方が親切に邸内を案内してくれましたが、地元の方と歴史談義に花を咲かせるのも楽しいものです。杵築史談会の『杵築藩士家代々家譜帳』によれば、大原家は江戸時代初期から能見松平家に仕える家で、当初は1千石の家老職。後代には紆余曲折あったらしく、家禄は200石まで減っていますが、幕末の当主は用人として活躍したようです。

 スタッフの方に聞いた話では、10月公開予定の映画「蜩ノ記」で、大原邸がロケに使われたとのこと。直木賞受賞作品ということで興味を持っていますが、旅先で訪れた武家屋敷が登場するとあっては、見に行ってみようという気にもなってきます。

(2014年8月訪問)

  

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 重臣の家とあって、豪壮な入母屋造の屋根を構えた表玄関は立派なものですが、奥の庭園も見事。あいにくの天気とはいえ、小雨に濡れる武家屋敷も何か趣があります。

 

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 大原邸の長屋門。「酢屋の坂」から「勘定場の坂」に至るこの通りは、現存する武家屋敷が建ち並んでなかなか良い雰囲気です。

 

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 南台から北台の大原邸を望む(左は「酢屋の坂」)。杵築武家屋敷は、谷間の町人地を挟んで北と南の台地に分かれています。