【居住者】鷹見泉石(家老/330石)
【関連サイト】
https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/lifetop/soshiki/rekihaku/kinenkan.html
都心から電車で1時間。城下町・宿場町として栄えた古河には、鷹見泉石が晩年を過ごした邸宅が残っています。蘭学者として有名ですが、古河藩では家老として藩政の中枢にあった人なので、歴とした武家屋敷になります。
藩主土井利位の大阪城代在任中に起きた大塩平八郎の乱では、泉石が大塩父子の捕縛を指揮するなど、事件を終息させる活躍を見せていますが、国宝として知られる鷹見泉石像は、同じ年に描かれたもののようです。政務で多忙を極めた泉石も、隠居後はこの屋敷でのんびりと蘭学書でも読んで過ごしたのでしょうか。
泉石亡き後、空き家になったこの屋敷は、天狗党事件に発展した水戸藩内乱関係者の仮収容所として使われています。『古河市史』によれば、捕縛され古河藩預りとなった100人程が、長屋門の屋内にすし詰めにされ、その後29人が切腹・斬首となったそうです。落ち着いたたたずまいのなかにも、激動の幕末を彷彿とさせるようなお屋敷でした。
(2014年3月訪問)
表玄関から土間方向を望む。格子窓も趣があります。
屋根の上には「水」の文字。スタッフの方に聞いてみると、火除けの意味ではないかと、おっしゃていました。反対側には崩し字で、やはり「水」とありました。
古河は江戸時代から鮒の甘露煮が名物らしいです。フナは食べる魚というイメージがなかったのですが、トライしてみると意外と美味でした。こんなお座敷で賞味できれば、また格別かもしれません。