六十余州 武家屋敷紀行

~隔月で第3土曜日に更新~

vol.16 【筑後国 柳川藩】吉田邸(旧戸島邸住宅)

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【居住者】吉田舎人(中老/400石)

【所在地】福岡県柳川市鬼童町49-3

文化財指定】福岡県指定有形文化財

【関連サイト】http://www.yanagawa-net.com/toshima.php

 

 「旧戸島邸住宅」として観光スポットになっているこの武家屋敷は、文政11年(1828)に柳川藩中老の吉田舎人が自身の隠宅として建てたもので、所有者が戸島家となったのは明治維新後。後に柳川市に寄贈され、解体修理を経て10年程前から一般公開されているそうです。

 吉田家は柳川藩成立当初から立花家に仕える譜代の家臣。代々中老や番頭等の要職に就いています。ご隠居のお住まいなので、建物は比較的こじんまりした印象を受けますが、玄関にある三日月形の採光窓など趣のある造りで、何よりも庭園は国の名勝に指定されるだけあって見事。快適なセカンドライフを過ごせそうです。

 先週の「城下町へ行こう!」BS朝日)は柳川特集で、藩主立花家の別邸である御花を現在の当主の方(女性)が案内されていましたが、何と立花家が経営する旅館となっていて、宿泊できるのだそうです。次回は一泊して、殿様気分を味わってみたいものです(http://www.ohana.co.jp/)。 

(2014年2月訪問) 

 

f:id:kan-emon1575:20140201104957j:plain庭園を見渡せる客間。欄間も趣向を凝らした感じがします。

 f:id:kan-emon1575:20140201105115j:plain行燈をイメージした暖色系の照明は雰囲気として違和感なく、なかなかよいです。 

 

f:id:kan-emon1575:20140201105142j:plainこの隠宅は後に茶室として藩主に献上されています。殿様が使うにも申し分のないお屋敷だったと言えるかもしれません。