六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.13 【大和国 柳生藩】小山田邸

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【居住者】小山田主鈴(柳生藩家老/200石)

【所在地】奈良県奈良市柳生町155-1

文化財指定】奈良県指定文化財

【関連サイト】http://narashikanko.or.jp/spot/index.php?m=d&id=3

 

 奈良駅からバスに揺られること50分。着いたところは、藩の本拠地だったとは思えないような、のどかなところでした。1万石の小藩であるうえ、代々将軍の剣術指南役を務めた柳生氏は江戸定府大名だったので、実際、陣屋町というより山奥の農村に近いイメージだったのかもしれません。

 嘉永元年(1848)建築の小山田邸。福島の郷士だった小山田主鈴は、柳生藩に仕官後、藩の財政を立て直して家老に抜擢されたとのこと。表門は両端の長屋が一部を残して取り払われていますが、立派な式台玄関や藩主を迎えた客間、そして尾張の石工の手による見事な高石垣が、家老としての威厳を伝えています。

 バスが1日数本しかなく、帰りのバスの都合により、滞在時間30分で小山田邸見学に限定と、慌ただしい旅程となりました。山岡壮八さんは別荘として買い取った小山田邸に滞在しながら、柳生一族の物語である「春の坂道」の構想をじっくり練ったそうです。次回来るときは、自分も「柳生の里」をのんびりと散策しながら、柳生新陰流を生んだ時代に想いを馳せてみたい、そんな思いが強くしました。

(2013年11月訪問) 

 

 

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立派な表玄関が「花壇」になっているのは、やや残念。せめてブルーシートではなく、建物に調和するような敷物にしてほしいところです。

 

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江戸定府の藩主が国元を訪れた際に迎えたといわれる「殿様用客間」。

 

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まるで城郭のような高石垣。近くに分家のお屋敷も残っていることを旅の後で知り、見逃したことが悔やまれますが、やはり同様に見事な石垣上にあるようです。