【居住者】 原田一平
【関連サイト】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%94%B0%E5%AE%B6%E4%BD%8F%E5%AE%85
7月の連休、はじめて徳島を訪れました。徳島城址、徳島城博物館を見学後、1キロほど歩いて原田邸へ。路地裏の細道を少し迷いながら漸くたどり着くと、この日は生け花の展覧会が催されていて、幸運なことに内部を見学することができました。事前に調べたところでは、年に一度、3月のみ公開とのことで、外観だけでもというつもりだったので、嬉しい限りです。
玄関で記入した来訪者名簿を見て「東京からいらっしゃたんですか」と声をかけていただいたスタッフの方に、「武家屋敷に関心があって」と正直に話すと、建物についていろいろ説明してくれました。もともと徳島城内にあった建物を原田一平が下賜されたとのことで、今も所有者である大阪在住の御子孫に代わって、地元の有志の方が管理されているようです。
原田一平については廃藩置県後の名東県で大属を務めた人物ということしかわからず、徳島藩でどのような立場にあったのかは未確認で、武家屋敷としてどのように位置づけるかは難しいところですが、弁柄の赤い壁や、富士山をモチーフしたデザインの欄間など、建物には上品さを感じます。ご親切にも冷たいお茶とお菓子を出していただき、縁側越しに御庭を眺めながら遠い時代の想像に浸る、至福のひとときを過ごすことができました。
(2013年7月訪問)
一階から二階まで急傾斜をなす屋根が特徴的。正面からは平屋のように見えます。
書院造りの客間。欄間は富士山をモチーフしたデザインです。
「雨戸が面白い造りをしているんです。閉館時に戸を閉めるところを見ていきますか?」とのスタッフの方の御厚意も、スケジュールがタイトで断念。柱の中央部分にある穴が、防犯上のポイントになるそうなのですが…