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江川家は幕末の太郎左衛門英龍が有名ですが、源平時代にまで遡ることのできる韮山の名族。主屋も室町時代の建築といわれ、700年という歴史の重さを感じます。役高150俵程度の幕府代官職とはいえ、高い屋根の式台付玄関などは高禄の武家屋敷であっても違和感はなく、大河ドラマ「篤姫」の撮影では、篤姫の実家である今和泉島津家の邸宅として使われています。
帰りの電車で、いただいたパンフレットを読んでみると、老中松平定信が当地を視察の折り、裏門越しの富士山の美しさに驚嘆したとの記述。裏門側を見逃したことが悔やまれましたが、松平定信といえば、寛政の改革を主導した幕閣の実力者。そんな大物が地方の一官吏宅を訪ねてきた当時の情景にも興味がわきました。
(2013年1月訪問)
表玄関。入母屋造りの屋根が見事です。ちなみに、私も大好きだったTBSドラマ「JIN-仁-」では、幕府の医学館として撮影に使われました。
土間。天井板がなく、はりめぐらされた柱が目を引きますが、その高さも圧巻。
外出時の供を揃えるために使われたという「枡形」と呼ばれるスペース。黒板塀が竹林とよく調和しています。