六十余州 武家屋敷紀行

~毎月第3土曜日更新~

vol.02 【出羽国 秋田藩】黒澤邸

 

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【居住者】黒澤伊兵衛(秋田藩大番頭/500石)

【所在地】秋田県秋田市楢山字石塚谷地297番地99 (移築)

文化財指定】国指定重要文化財

【関連サイト】http://www.city.akita.akita.jp/city/ed/st/kurlosawa/default.htm 

 

 黒澤家は佐竹氏の秋田入部以来の家臣で、藩の要職にも就任しています。長屋門は大きな物見窓を備え重厚な感じがしますが、母屋も含めて漆喰の白と下見板の黒のコントラストが印象的です。大きな公園の丘陵地に移築されており、静かで周囲に景観を損ねるものもないので、タイムスリップしたような感覚に浸れます。秋田市立佐竹史料館が建物を管理していますが、同史料館には黒澤家の甲冑等が展示されていて、受付では当主が書き残した『黒澤家日記』 も販売されていました。

 『黒澤家日記』 には、藩の町役へ家族構成を報告した旨の記述があって(文政12年(1829))、「上下拾八人」、うち当主家族(上)5人、奉公人(下)13人が邸内に暮らしていたことがわかります。ちなみにその翌日には、「(報告した)町役へ酒呑ませ申し候」とあって、餅菓子(根花餅・小豆砂糖)、めし、汁(水ふき・かつふし)、平(小あら・竹の子・むきたけ)、香の物と、自宅で振る舞った料理の献立も記録されていました。四ツ半時とあるので、少し早いランチタイムでしょうか。遠い昔のサラリーマン家庭の日常が浮かびあがってくるようです。

(2012年11月訪問)

 

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雪国らしい造りの表玄関を入ると、左手に(写真の左端)いきなりお手洗い。来客用らしいです。

  

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 座敷

 

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台所