六十余州 武家屋敷紀行

~隔月で第3土曜日に更新~

vol.66 【日向国 飫肥藩】豫章館

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【居住者】伊東祐帰飫肥藩知事)
【所在地】宮崎県日南市飫肥9-1-1
文化財指定】日南市指定文化財
【関連サイト】http://obijyo.com/shisetsu/yoshyoukan/

 

 前回の高鍋を後にして向かったのは、伊東氏5万1千石の城下町飫肥飫肥城大手門のすぐそばにある豫章館は、明治2年(1869)に造営された伊東氏の邸宅です。飫肥藩主の伊東氏は版籍奉還知藩事になると、政庁の機能のみを城内に残し、一門の伊東主水家(600石)の屋敷地に私邸を構え、城外に移り住んだのだそうです。

 母屋は大名屋敷としてはやや小規模ですが、パンフレットによると飫肥城本丸奥御殿の書院を解体して手入れしたものとのことで、気品が感じられ見応えがあります。ちなみに、飫肥城内には御殿(松尾の丸)が復元されていて、豫章館に移る前の殿様の暮らしを思い浮かべながら見学したのですが、なんと実は飫肥城とは関係のない模擬建築でした。

(2018年7月訪問) 

 

f:id:kan-emon1575:20180720110443j:plain屋敷表口の薬医門。やや簡素ですが、ここから母家の玄関までは距離があり、屋敷地の広大さを感じます。

 

f:id:kan-emon1575:20180720105930j:plain母屋の玄関部分。

 

f:id:kan-emon1575:20180720105159j:plain庭園側から見た母屋。

 

f:id:kan-emon1575:20180720105637j:plain裏側から見た母屋。

 

f:id:kan-emon1575:20180720105704j:plain母屋の内部。

 

f:id:kan-emon1575:20180720105814j:plain絵が描かれた杉戸にも、趣を感じます。

 

f:id:kan-emon1575:20180720120505j:plain【ご参考】松尾の丸の御殿

模擬天守ならぬ模擬御殿があったとは。かなりの規模で部屋数も多く本格的ですが、立派な式台玄関は順路の脇を向くかたちで木陰にあって目立たず、縁側に張り巡らされた現代式の窓ガラスもやや景観を損ね、少しもったいないような気もしました。